EasyDialogは、岩手県一関市に対し、生成AIを活用した電話応答システム「easyPhone」を提供し、同市の「接遇システム(AI電話)」として2026年3月16日より運用を開始しました。日本において自治体が市民向けにフルスタック型の生成AI電話応答を導入する事例は初めてであり、自治体向けの電話応答として、FAQの登録を主軸とする方式ではなく、**RAG(Retrieval-Augmented Generation)**を中心に据えたシステムとしても日本で初めての導入となります。
市民は専用電話番号に電話し、通常の会話のように質問することで、AIが内容を理解して回答します。AIで対応できない場合は連絡先を確認し、担当職員から折り返し連絡が行われます。
背景
自治体窓口では、来庁者対応と並行して電話問い合わせにも対応する必要があるため、窓口混雑時には電話対応が困難となる場合や、職員が業務を中断せざるを得ないなど、業務効率に課題がありました。一関市ではこれらの課題を解決するため、生成AIを活用した電話自動応答システム「easyPhone」を導入し、市民の利便性向上と行政業務の効率化を図ります。
サービス概要
- サービス名: easyPhone(イージーフォン)
- 運用開始日: 2026年3月16日
- 電話番号: 050-1792-9217
- 対応時間: 24時間対応
対応内容(運用開始時)
- マイナンバーカードに関する問い合わせ
- 転入・転出など住民異動届に関する手続き
- 住民票・戸籍証明書等の交付
- 印鑑登録
- 戸籍に関する問い合わせ
easyPhoneの特徴
1. 生成AIによる自然な会話型応答
easyPhoneは、RAGを活用した生成AIにより、市民からの質問の意図を理解し、自然な会話形式で回答します。従来のIVRやFAQ型システムとは異なり、柔軟な対話が可能です。また、FAQは専用インターフェースで管理され、対話の中で適切に統合されます。これにより、自然な対話と行政情報の正確性を両立し、FAQベース・文脈なしの従来型電話システムと明確に差別化されています。
2. 実運用を前提とした自治体向け設計
EasyDialogの会話AI開発の知見と、一関市との密接な連携により、自治体業務に最適化された実用的な対話設計を実現しました。さらに、本システムは一関市市民課との継続的かつ反復的な協働により開発されました。現場からのフィードバックを直接反映するアジャイルな開発手法により、実際の業務フローに即した高い実用性を備えています。
3. 特許技術に基づくAIアーキテクチャ
easyPhoneは、EasyDialogが保有する複数の特許技術を基盤とした独自アーキテクチャにより、高い応答精度と安定運用を両立しています。
4. 管理者向けダッシュボード
問い合わせ内容の分析や回答の改善を行うための管理ダッシュボードを提供し、継続的なサービス改善を可能にしています。


一関市における生成AI活用の取り組み
一関市ではこれまでにも生成AIを活用した取り組みを進めており、
- 2023年度: AIチャットボット
- 2024年度: 音声ガイドシステム
- 2025年度: 生成AI電話応答(
easyPhone)
に続く第三弾として、生成AI電話応答を導入しました。自治体の電話応対に生成AIを本格活用する事例として、先進的な取り組みとなります。
今後の展開
本システムは当面、専用電話による検証運用を行い、改善を重ねた後、市民課以外の部署への拡張や、将来的には窓口での対話支援への活用も視野に入れています。EasyDialogは、本取り組みをモデルケースとして、日本全国の自治体への展開を目指していきます。